彼岸島
『彼岸島』(ひがんじま)は、週刊ヤングマガジンに連載されている松本光司の漫画、およびそれを原作としたゲーム、映画。
最終章突入にともなって、タイトルが「彼岸島」改め「彼岸島 最後の47日間」となり、話数カウントもリセットされた。
キャッチコピーは「丸太サバイバルホラー」。
吸血鬼の住む島からの脱出や、吸血鬼や化け物との対峙をメインとした作品だが、バトル漫画・ファンタジー漫画・SM漫画の要素も持つ。 また、この手の「閉鎖・限定空間」を舞台とした作品では珍しく、島の大きさや人口、戦力差などの「現況」がほとんど描写されない。設定の変更で幾分かはフォローされているものの、後に明かされる新事実や描写、舞台となる島、人口の肥大化に伴い、矛盾が少なからず発生している。
2005年4月28日、この作品のPSPのゲームが、ナウプロダクションにより「彼岸島(higanjima)」と言うタイトルで発売された。しかし、原作が続刊中の為、彼岸島に来た時のストーリーはオリジナル(パラレル)となっている。
実写映画が2010年1月9日に日韓同時公開された。
ストーリー
宮本青果店の店長の息子である宮本明は、数年前に彼岸島で行方不明になった兄・宮本篤を捜す為、友人と共に彼岸島に渡ったが、そこは吸血鬼が跋扈する地であった。兄を捜し出し本土に連れ帰る為に奮闘する。
おすすめ
登場する化け物
- 吸血鬼
- 現在彼岸島に棲息する、吸血鬼ウィルスに感染した人間のこと。一応人間の心は持ってはいるが、人間を軽蔑している。吸血鬼にさせられたら、(宮本 篤や斧神は)雅を恨まずに従うようになる。殆どの吸血鬼が編み笠、着物、ゴム手袋、長靴を着用しており、農家のおじさんのようなスタイルである(女性の場 合はこの限りでは無い)。興奮すると髪が白く、白目が赤黒くなり、三白眼になるが、普段は鋭く尖った犬歯(牙) 以外は人間と同じ風貌をしている。人間の血を吸う事で新陳代謝を永続させることができ、不老であり、この世の全てののウィルスには感染しない。発症した時 点で年齢が固定される(ただし、子供や赤ん坊は成長するが、大人になった時点で年齢が固定される)。常人の3倍程の腕力を持つうえ、普通なら致命傷となる 程のダメージを受けても死なない。ただ、頭を斬り落とされたり潰されると死亡するため不死ではない(雅は例外で、不老不死)。彼岸島の島民が元々どれくら いいたのかが不明であるため、吸血鬼の総数は語られていない。中には篤・涼子の村人みたいに平和的な人達もおり、「村を守る」ために武器を取る吸血鬼もい る。
- 人間の血は食料ではなく、邪鬼や亡者に変態しないための薬なのだが飲食のように楽しんでいる。飲食は人間と同じ様に行っている。牙(唾液)には強 い麻酔効果があり、体内に入ると涙や小便等を垂れ流しながら動けなくなる。唾液には吸血鬼ウィルスも混ざっているが、感染力は低い。彼等の血を人間が(既 に死亡していたり瀕死の重傷であっても)粘膜・傷口等から摂取してしまうと、一度死亡した後に(感染した時点で既に死亡していた場合はそのまま)吸血鬼と して復活する。吸血鬼の血を吸血鬼が摂取すると殆どの場合は体が耐えられずに破裂してしまうが、それを耐え抜いた場合には、さらに高い力を得る事ができ る。人間だけではなく、犬や熊やモルモット等の動物も吸血鬼になったことがある。但しモルモットは吸血鬼ウィルスでは無く、後述の五十嵐中佐の実験で吸血鬼の細胞をそのまま移植した者である。
- 過去に彼岸島に棲息していた吸血鬼は人間と共存しており、血を介して人間に吸血鬼の性質が感染することも無かった。むしろ吸血鬼を神聖視し、神事の際には女性は血を吸わせる事によりオナニーに 耽ったりして至上の快楽を得られる事で積極的に参加していた。現在の吸血鬼と違い、子供や赤ん坊も吸血鬼になった段階で成長が止まっていた。太平洋戦争 中、軍事利用を企んだ陸軍部によって彼岸島へ送り込まれた五十嵐陸軍中佐らが雅に施した生体実験により、吸血鬼の血液が変質し、伝染性を持つ吸血鬼ウィル スが誕生してしまった。
- 邪鬼(オニ)
- 一定期間人間の血液を吸わなかった吸血鬼が発作を起こし変化した姿。理性を持たず、怪力や驚異的な生命力を伴う。読み方は「ジャキ」ではない。
- 吸血鬼がそのまま変態する者や、身体中から糸を噴き出し繭になり、その繭から生まれる者もおり、様々なバリエーションが存在する。普通の吸血鬼同様、首を完全に切断されると死亡する。
- 人間・吸血鬼の関係なく、視界に入った生物を本能のままに襲う。そのため吸血鬼たちもその力を恐れている。雅のみがこれらすべての邪鬼を、脳波干 渉(サイコジャック)を使って完全に操ることが出来る。邪鬼使いと呼ばれる吸血鬼(田中ナオトのように邪鬼使いになれる人間もいる。)もおり、苦痛を与え る事で恐怖によって邪鬼を支配している点で雅の脳波干渉とは異なっている(但し、田中の場合は苦痛による支配ではない)。また初期設定では「稀に」体質に より適応できない場合に亡者になるという説明があり、亡者にされた人間が「邪鬼にもなれない」と役立たずの烙印を押されたが、その後の描写で邪鬼の数はかなり限定され、逆に亡者の数が多く描写されていることで設定が変えられたものと思われる。
- 亡者(もうじゃ)
- 身長:200cm〜 体重:120kg〜
- 必殺技:分裂
- 一定期間人間の血液を吸わなかった吸血鬼が発作を起こし変化した姿。悪臭や驚異的な生命力を伴う。
- 邪鬼の成り損ない。いくつもの顔が生えてきて、膿を 噴き出しながら無限増殖する。その醜悪な姿から吸血鬼たちからも忌み嫌われており、普段は集団で森の中などで虫などを食べながらひっそりと過ごす。その為 か非常に寂しがり屋の性質を持ち、集団で身を寄せ合ったりする特性も。また邪鬼とは違い幾分かの記憶や感情を残すとは思われているが、人語を解し、話せる ものは稀であり、また時間と共にそれも失われていくようである。
- 刀等の刃物で斬り刻んでもそこからまた増殖する(破片からも増殖する)ため、完全に殺すには、丸太等で打撃攻撃を与え、その死体を炎で燃やすのが 唯一の方法である。作中では明の仲間のポンが吸血鬼にされた挙句、人間の血液を敢えて与えずに邪鬼を人工的に作り出す試みに失敗した例が描かれている。こ の時のポンは普通に明と会話が出来た。
- 混血種(アマルガム)
- 他の吸血鬼の血液を体内に取り込み、生き延びた吸血鬼。他の吸血鬼よりも高い身体能力を持ち合わせている。斧神曰く、破裂死せずに混血種(アマル ガム)になる確率は、1%にも満たないという。在来種由来で二名、感染者由来で二名の混血種が登場しており、因果関係は言及されていないが、感染者由来の 混血種はいずれも頭部が骨格ごと酷く溶け崩れ、到底人間には見えない姿となっている。
- 自重より遥かに重い武器を軽々と振り回す超怪力の他、個体ごとに身体の自在な再構築(高速治癒ではない。腹に頭部を設置して脳や感覚器を機能させ たり、体外に飛び出した臓器だけで自立したりする事ができる)、筋肉を引き締める事による硬質化(柔軟さを失わないまま、比喩でなく鋼鉄以上の硬度を得 る)、ただ嗅がせるだけで任意の幻覚を見せる事ができる神経ガスの生成など、現在の科学では全く説明できない魔法のような固有能力を持つものが多い。
- 雅、師匠、斧神、まり子がこれに当たる。
- 霊鬼(れいき)
- ゲームオリジナルの吸血鬼。原作に登場したガタイが大きい吸血鬼に相当する。
邪鬼のバリエーション
- 痩身型
- 身長:4m5cm 体重:750kg
- 必殺技:特筆するものはない
- 作中で初めて登場し、最も多く登場する邪鬼。大きな頭部に長い手足を持つ。四つん這いで移動するが、バランス感覚に優れているようで、天井にぶら下がったり決壊寸前の吊り橋をロープだけで渡ったりできる。明曰くサカナ野郎。
- 石頭型
- 身長:5m10cm 体重:1t
- 必殺技:硬い体表を活かした頭突き
- 主に村人がこの邪鬼になる。巨大な身体をしている。頭皮が異様に硬く、頭突きだけで吸血鬼の身体を貫通できる。真皮が剥き出しなので、血管が剥き出しになっている。篤曰くデブの化け物。
- 通常型(変態中)
- 眼球が顔に一杯付いていて、口が顔に付く者もいる。皮膚がちぎられ、徐々に体が黒ずんで行き邪鬼になる。
- 魚人型
- 身長:23m 体重:4t
- 魚人のような邪鬼で非常に大きい。秋刀魚に似た形態をしている。詳細は良く分かっていないが、彼岸島の周りをぐるりと取り囲んで、島に勝手に出入りする者を殺害、もしくは捕獲するようである。バタフライで泳ぐ。
- 太郎
- 身長:15m 体重:3t
- 必殺技:邪鬼使いの意のままに動くこと
- 着物を着ている巨大な邪鬼。口には無数の牙があり、長く伸びる舌がある。頭に装着している笠の下には巨大な単眼が 存在する。着物を脱げばデブであることが明らかになる。腹には縦に割れた口が存在し、そこから人間の血を一気に吸い尽くす。この口の中にも長く伸びる舌が ある。少々の感情を持っているらしく、自分に重傷を負わせた明や篤、主人である邪鬼使いのお仕置きに対して恐怖心を抱いていた。役に立たなかったのか雅に 剥製にされる。その後は明確な描写が無いが、雅が操るチワワ様に燃やされた者と思われる。
- 百目型
- 身長:14m50cm 体重:2.6t
- 主に炭鉱にいる吸血鬼がこうなる。身体中から糸を噴き出し繭になって、数年かけてその繭から孵化(羽化?)する。炭鉱の吸血鬼には神として崇めら れている。全身に目があり尻尾もある。正面から見ると歯並びが悪く顔が横長く見える。邪鬼の中でも運動能力が高い。傷付けられても身体中の目を傷口に移動 させ、瞬時に回復する能力を備えている。その能力で明たちを追い詰めるが、姫(後述)にはあっという間に倒された。
- 姫(百足型)
- 身長:31m 体重:8t
- 必殺技:強酸性母乳巻きつき
- その名の通り、炭鉱内のお姫様。初の女性型邪鬼。五十嵐中佐の皮肉によって「姫」と名付けられる。巨大で長い体躯で、普段は炭鉱の螺旋階段の空洞に潜んでいる。若い女性の顔を持ち、頭部にそれと別な巨大な口があり、百足の形をした体、その表面に無数の乳房、背面には背骨、側面の左右には数え切れない程の人間の腕があり、百足や馬陸の様な風貌である。乳首からは母乳を噴き出すが、その主成分は硫酸で ある。目を合わせると形相が大幅に変わり、生物を執拗に喰い殺そうとする習性を持ち、人間だけでなく邪鬼ですらも喰い殺すため、他の邪鬼とは比類ない恐ろ しい邪鬼である。暗い炭鉱内に非常に長い間いたせいか、極端に光に弱い。後に人間たちが制圧した集落を明が不在の隙を突いて襲撃、相変わらずの力で人間た ちを圧倒したが、操りにくかったせいか雅に剥製にされてしまう。更に雅が操るチワワ様(後述)に燃やされた(他の邪鬼の剥製も同様)。
- あしなが婆さん(蜘蛛型)
- その名の通り、足が長い老婆の姿をした女郎蜘蛛(絡新婦)の姿をした邪鬼。胸からとても垂れた乳房が垣間見える。額には5つの蜘蛛の目があり、歯茎か ら牙を出す。尾と口から糸を吐き、尾は麻痺性の毒針にもなっている。人間を糸でぐるぐる巻きにしてから食べる。命名者は師匠と田中ナオト。元々は田中ナオ トの母親で本名は田中美香子。村一番の美人だったらしい。吸血鬼の血が混ざった水を飲んだことで感染し吸血鬼になるが、田中は母親に自分の血を与えて密か に匿うも、任務による長期外出のため定期的に血を与えられず邪鬼に変態。変態後は他の邪鬼同様に人間たちを襲うが、人間や母親としての感情は微かに残って おり、息子のナオトには従う。また、明に手足を斬り落とされ瀕死の傷を負わされた際に涙を流して命乞いをしたり、ナオトに助けを求めていた。自分が助から ないことを確信すると、残った理性で人間としての死を選んだ。明に刀で首を斬られ、更に頭を潰されてその生涯を終えた。
- 蛇の邪鬼
- 水上の村に出現。蔵に幽閉した師匠を監視するため配置されていた。体長は数十メートルで、身体を伸ばすと蔵の天井を軽く突き抜けるほどである。舌 には多数の人の顔があり、相手を嘲るような笑い声を上げる。刺激しなければ大人しいのだが、非常に敏感で水溜りに足を踏み入れた際の水音に反応するほどで ある。興奮すると首の周りに襟巻きが現れる。襟巻きには目(の模様)があり、相手に相当な威圧感を与える。蛇というだけあり動きは素早い。泳ぎも得意で手 漕ぎのボートで逃げ切ることは到底できない。明たちが脱走させた村人を次々と喰らい、壊滅寸前のところまで追い詰めるが、西山が率いる別働隊の自家製のロ ケット弾による一斉射撃を浴び、森へ逃げ込んだ明たちを見失う。
- 満腹爺
- 地獄谷の地下洞窟に封印されていた邪鬼。人間型だが、頭は2つあって腹が非常に大きい。腹以外は白骨化し たかの如く痩せこけている。食欲旺盛であり、「いつも腹が減っているようだから」という理由で吸血鬼たちから満腹爺(まんぷくじじい)と命名された。腕が 非常に長く、どこまでも伸びる上に指も6本に発達している。視力はほとんどないらしく、匂いで獲物を見つけて捕食する。その嗅覚は離れた獲物の位置を的確 に把握し、即座に手で掴むことができる程のものであるが、逆に鋭敏すぎるためか体に塗った糞の匂いで目の前にいる獲物さえ見失う。元々は吸血鬼の管理下に あったが、邪鬼使いを食い殺してしまい、精神支配を離れて村の吸血鬼たちを襲い、屈強な吸血鬼である斧神と雅の2人がかりで崖下にある洞窟に幽閉されたと いう。強酸の泉の中でも平気で動き回り、更に酸を口に含んで撒き散らしたりと、住処である地獄谷に順応している。満腹爺の顔をした巨大なゴキブリを産むことが出来、追い込まれると腹から一気に「産卵」する。
- 地獄谷に落ちた明と斧神を襲い、武器を持たない彼らを相手に優位に立つ。明を食らおうとするところまで追い詰めたが、武器(青龍刀と大型の鎖鉄球)を手に入れられ形勢逆転。強酸の泉へと逃げ込み、酸とゴキブリよる遠距離攻撃を行う。斧神の振り回した鎖鉄球に捕まった明に一気に接近され、背中に飛び乗った彼の圧倒的な猛攻によって両腕や肩、両首を斬り裂かれて殺された。
- チワワ様
- 雅のペット。なまはげの顔と虎のような胴体、人間の後肢を持った巨大生物。島はずれの岩島上に立つ五重塔の 中に棲息している。前述の通り四足歩行をする獣じみた邪鬼だが、人の脚部が残っており、これも人間から変化した個体のようである。雅配下の吸血鬼からは 「チワワ様」と呼ばれており、犬のチワワとは関係なく、それが名前のようだ。首の関節が無いかのように(あるいは、そもそも胴体と繋がっていないかのよう に)頭部だけを高速で回転させる事が可能。
- また原理は不明だが、並の吸血鬼なら一瞬で黒焦げになるほどに超高温の火炎を口から吐き出す。火炎放射の前に長い予備動作を要するが、この際に全身から耐え難い輻射熱を発するので、知識があれば「炎を吐こうとしている」事が分かるようになっている。
- 大糞赤子
- 蚊の実験場で明達に襲い掛かった邪鬼。トカゲかサンショウウオのような巨大な図体に人間サイズの複数の前足、赤子の顔に口は姫の様に頭の上にあ り、常に尻尾にある複数の肛門から大便を垂れ流して歩く。蚊の実験場で生み出されてしまい、あまりの凶暴性を大変気に入った雅が実験場で飼育していた。
- この邪鬼の吐く息は隊長曰く生物が浴びると肌がただれてやがて死ぬといっているが、実際は爛れる所か鉄をも溶かしてしまう。邪鬼を食べる事も可能。人間のゲロ(吐瀉物)が大好物。とてつもなく長いへその緒を触れられると暴れだす。
- 一瞬の油断が原因で、細山は彼に食べられてしまった。
- 最期は明と隊長にパイプで作った槍に手足を床に串刺しにされ動きを封じられ、頭中を複数の槍で貫かれ、首を斬られて息絶えた。
ちなみによく勘違いされるが、斧神やまり子は邪鬼では無く混血種(アマルガム)である。
舞台
この作品の舞台は、島だけども、炭鉱、樹海や砂丘があって島とは思えないほど広い。元々彼岸島は海底火山で隆起して出来た火山島で、地熱により気温がほぼ変わらず、そのため彼岸花が一年を通して咲いている。因みに、寒気で大雪が降ることもある。そして島の周りは火山で出来た岩礁に囲まれており、港のある海域以外の船での出入りは困難である。
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